2021年12月07日

離婚(調停離婚、裁判離婚)

 協議離婚ができないと次は離婚調停の申立となります。
2019年(令和元年)の離婚調停事件の新受件数は約4万3000件(但し、夫婦円満調整事件等を含む数字)となっていて、減少傾向にあることは先にも触れました。

 離婚調停は家庭裁判所での話合いベースの手続ですが、そこでも決着がつかないと今度は離婚訴訟の訴え提起となります。
 裁判所の公表資料によると、離婚訴訟の新受件数も減少傾向にあって、2019年(令和元年)は約8000件、2020年(令和2年)は約7600件となっています。
 なお、離婚の場合、いきなり訴え提起をすることはできず、先に調停申立てをして調停手続きを経る必要があります。これを調停前置主義といいます。

 訴訟では、お互いが書面で主張、反論するため非難合戦となって嫌な思いをすることも多いですし、調停手続きを経由しますから、全体としての時間も要します。  従って、訴訟にまで至ることはあまり勧められません。
 調停でも嫌な思いをすることはありますが、どうしても譲れないところと譲るべきところは譲るとメリハリをつけるなどして、なるべく調停で決着するのがよいと思います。

urushihara_law at 16:07|PermalinkComments(0)弁護士業務 

2021年11月12日

離婚(協議離婚)

 政府の人口統計によると、年間離婚件数は2002年(平成14年)の約29万組をピークに減少傾向が続いていて、2019年(令和元年)は約20万8000組、2020年(令和2年)は20万組を下回って約19万3000組となっています。
 そういえば、90年代後半頃、「成田離婚」なんていう言葉が流行ったことがありました。
 離婚総数のうち協議離婚の割合が概ね9割となっています。
 裁判所の司法統計によると、2019年(令和元年)の離婚調停事件の新受件数は約4万3000件(但し、夫婦円満調整事件等を含む数字)となっていて、こちらも2003年(平成15年)の約6万2000件をピークに減少傾向が続いています。

 協議離婚は役所に離婚届を提出して受理されれば成立します(戸籍には、「協議離婚届出」という記載がなされます)から、比較的簡単ではありますが(とはいえそれなりにエネルギーが必要と思います)、特に相手(多くは夫)に養育費を支払って欲しい場合は、届出とは別に合意書を取り交わしておくべきです。毎月の金額と支払日といつまで支払うのかについて取り決めて書面にしておく、それもなるべくなら公正証書を作成しておくのがよいです。

 というのも、養育費の取決めについて、公正証書に強制執行受諾条項というのを記載しておけば、その支払いをしない場合には公正証書に基づいて強制執行(給与差押え等)をすることができるからです。
 単なる合意書であったり、公正証書でも強制執行受諾条項の記載がない場合は、強制執行をするためには別途家事調停等の手続きをとることが必要になるのです。




urushihara_law at 17:03|PermalinkComments(0)弁護士業務 

2021年10月22日

中央流沙

 農林省で発生した汚職事件について、捜査対象の中心人物である課長補佐が死亡したことで捜査は中止となり、事件が崩壊して上級官僚や政治家は事なきを得るというストーリーで、これを山田という総務課事務官の視点から描いた昭和40年の作品です。
 汚職事件で中間管理職が犠牲になって上層部が安泰の結果となるストーリーは、あの「点と線」もそうですが、清張さんがしばしば書いているテーマです。

 この作品には西秀太郎という52、3歳の弁護士が登場して重要な役割を担いますが、それは良い意味ではなくて、
 西弁護士は10年前に詐欺と恐喝で送検されたが不起訴処分となった前歴があり、農林省の上層部とは友だちのように口を利いて、面会もフリーパスの農林省出入りの一種のボス的存在とされ、とうから捜査2課のブラックリストにあがっていた。とされる要注意人物です。
 現に、課長補佐に自殺することを暗示したことをはじめ、汚職事件の隠ぺい工作の中心的役割を果たすなど弁護士としてあるまじき行動をしています。
 山田事務官からは、課長補佐の殺人犯人であると決めつけられています。


死亡診断書と死体検案書
 作品中に、死亡診断書は、患者が生命があるときから医者が診断したことになり、死亡後であれば死体検案書でなければならない。という説明があります。
そして、西弁護士が強引に医者に死亡診断書を書かせたのだろう。とされています。
 ただ、この説明は正確とはいえないのではないか、初めて診る患者が存命であっても間もなく死亡したのであれば死体検案書になるはずではないかと思われます。









urushihara_law at 12:15|PermalinkComments(0)松本清張