一年半待て成年後見(その2)

2021年08月27日

脊梁

 難しい言葉のタイトルで「せきりょう」と読み、背ぼね、分水嶺となる山脈といった意味のようです。清張さんは、山脈の脊梁といった表現で他の作品中でも使用されています。 昭和38年の作品。

 強盗殺人罪で逮捕起訴された被告人について、一審、二審とも死刑判決となるも、上告して最高裁で破棄差戻しとなって、差戻し審で裁判継続中であり、10年近い月日が流れ、その元婚約者とその家族にも塁を及ぼすというストーリーです。

 この作品には2人の私選弁護人が登場します。無実の人を誤って有罪とすることがあってはならないと活動して、最高裁で破棄差戻しされたくらいですからそれなりの弁護活動をしているはずですが、あまり重点は置かれておらず、元婚約者の心理状態や生活状況に主眼が置かれています。
 タイトルも元婚約者の証言が有罪無罪を分けるものという意味で付けられたようです。
 弁護士は、むしろ元婚約者の両親からは、自分たちの思いと弁護士の考えにすれ違いがあると思われたり、自分の名前を世間に広めようという気持ちがあってその手柄のために活動していると思われてしまいます。

 重大事件で無罪を主張して裁判は長期に及び、新聞、雑誌などにも注目される有名な事件となっていますから、被告人側関係者の生活状況に大きな影響を及ぼしてしまうことは避けられないと思います。
 今の制度ですと、裁判員裁判になる事件と思われるため、裁判の長期化はある程度回避できるかもしれませんが、ネットなどで中傷されたり、社会的制裁を受けたりすることはより顕著となっているので生活状況に与える悪影響はより深刻なものになっていると思われます。





urushihara_law at 16:45│Comments(0)松本清張 

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