自筆証書遺言(その2) 遺言書保管制度遺産分割調停

2021年04月15日

公正証書遺言

 公証人が関与して作成される遺言であり、弁護士が勧めるのは公正証書遺言と申しましたが、こちらもどれくらい作成されているか調べてみました。
 日本公証人連合会という全国組織が1年間に全国で作成された件数を毎年公表しているのですが、先月末に令和2年中の作成数が発表されて、9万7700件ということでした。
 ここ数年は毎年11万件前後で推移していたのですが、令和2年に10万件を下回ったのはコロナ禍の影響で高齢者の方が外出を控え、従って公証役場に出向くことを控えたからだと思われます。
 自筆証書遺言より多いとはいえ年間10万件から11万件というのは、75歳以上の高齢者人口が約1800万人であること(2018年、2019年の人口推計)からするとやはり少ないと思います。
 
 公正証書遺言があるからといって、遺留分の問題があるなど100%トラブルを回避できるわけではありませんが、特に以下のようなケースは紛争をできるだけ回避するため遺言作成は義務といってもよいと思います。
・子がいないが、兄弟姉妹や代襲相続人の甥姪が複数いる場合
・先妻の子と後妻がいる場合
 その争いは松本清張の「強き蟻」でも描かれていましたが、現実に紛争が多いです
・事実婚の夫婦の場合
 現行法上、夫、妻には相続権が認められていないため、遺産を与えるには遺言作成が必要です。
・実子であっても人数が多くなるほど紛争の可能性は高まる

 
 なお、トラブル回避という意味では、遺言を作成するにあたっては、特に遺留分を侵害するような内容である場合は、そのことを推定相続人に話をして自分の思いや考えを説明しておくのがよいと思います。もし、それができないのであれば、せめて遺言書の中に思いや考えを記載しておくべきだと思います。











 

urushihara_law at 16:02│Comments(0)弁護士業務 

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