弁護士業務

2022年04月28日

遺言

 日本公証人連合会が先月末に令和3年の遺言公正証書の作成件数を公表していて、10万6028件ということでした。この中にはごくわずかではありますが私が関与したものも含まれています。
 コロナ禍の影響は令和3年も継続したはずですが、前年より8000件余り増加して10万件台に回復したようです。ただ、最近10年くらいは毎年10万件から11万件の間で推移しており、そのあたりで一定しているのは不思議な気がします。

 なお、公証人との事前の案文や資料のやりとりは以前はファクシミリ送信で行っていたものですが、最近ではメールで行っています。
 また、遺言公正証書には証人2名の立会いが必要になるのですが、推定相続人等は証人になれないため準備するのは必ずしも容易ではありません。そのような場合、公証役場で紹介、手配してもらえるので、証人への謝礼を要しますが公証役場に依頼することになると思います。


 2020年7月にスタートした遺言書保管制度の利用状況について、こちらは法務省が月毎の件数を公表しているようですが、2021年(令和3年)1年間の保管件数は合算すると1万6954件でした。
 この数字については、多いとは言えないけれども、制度の認知度はまだ低いと思われることからすると少なくもないというところでしょうか
今後も、自筆証書遺言の検認の申立件数の推移とともに見ていきたいと思います。






urushihara_law at 16:08|PermalinkComments(0)

2021年12月07日

離婚(調停離婚、裁判離婚)

 協議離婚ができないと次は離婚調停の申立となります。
2019年(令和元年)の離婚調停事件の新受件数は約4万3000件(但し、夫婦円満調整事件等を含む数字)となっていて、減少傾向にあることは先にも触れました。

 離婚調停は家庭裁判所での話合いベースの手続ですが、そこでも決着がつかないと今度は離婚訴訟の訴え提起となります。
 裁判所の公表資料によると、離婚訴訟の新受件数も減少傾向にあって、2019年(令和元年)は約8000件、2020年(令和2年)は約7600件となっています。
 なお、離婚の場合、いきなり訴え提起をすることはできず、先に調停申立てをして調停手続きを経る必要があります。これを調停前置主義といいます。

 訴訟では、お互いが書面で主張、反論するため非難合戦となって嫌な思いをすることも多いですし、調停手続きを経由しますから、全体としての時間も要します。  従って、訴訟にまで至ることはあまり勧められません。
 調停でも嫌な思いをすることはありますが、どうしても譲れないところと譲るべきところは譲るとメリハリをつけるなどして、なるべく調停で決着するのがよいと思います。

urushihara_law at 16:07|PermalinkComments(0)

2021年11月12日

離婚(協議離婚)

 政府の人口統計によると、年間離婚件数は2002年(平成14年)の約29万組をピークに減少傾向が続いていて、2019年(令和元年)は約20万8000組、2020年(令和2年)は20万組を下回って約19万3000組となっています。
 そういえば、90年代後半頃、「成田離婚」なんていう言葉が流行ったことがありました。
 離婚総数のうち協議離婚の割合が概ね9割となっています。
 裁判所の司法統計によると、2019年(令和元年)の離婚調停事件の新受件数は約4万3000件(但し、夫婦円満調整事件等を含む数字)となっていて、こちらも2003年(平成15年)の約6万2000件をピークに減少傾向が続いています。

 協議離婚は役所に離婚届を提出して受理されれば成立します(戸籍には、「協議離婚届出」という記載がなされます)から、比較的簡単ではありますが(とはいえそれなりにエネルギーが必要と思います)、特に相手(多くは夫)に養育費を支払って欲しい場合は、届出とは別に合意書を取り交わしておくべきです。毎月の金額と支払日といつまで支払うのかについて取り決めて書面にしておく、それもなるべくなら公正証書を作成しておくのがよいです。

 というのも、養育費の取決めについて、公正証書に強制執行受諾条項というのを記載しておけば、その支払いをしない場合には公正証書に基づいて強制執行(給与差押え等)をすることができるからです。
 単なる合意書であったり、公正証書でも強制執行受諾条項の記載がない場合は、強制執行をするためには別途家事調停等の手続きをとることが必要になるのです。




urushihara_law at 17:03|PermalinkComments(0)

2021年10月01日

成年後見(その3)

 後見制度の利用が望まれるケースとして

 まず、本人に身寄りがないケースや、支援する親族が近くにいないケースが考えられます。
 このようなケースに一定数利用されていることは、申立人が、市区町村長である事件数と本人である事件数を併せると申立件数全体の約4割となっていること(公表資料)からわかります。
 このケースでは、後見人は、当然、親族以外の人ということになります。

 次に、例えば、不動産を処分する、とか、遺産分割協議を行うといった差し迫った必要があるケースです。
 認知症等の理由で判断能力が減退した人は、不動産を処分することができないため、あるいは、遺産分割協議等ができないため、後見人等の選任が必要になります。
 このケースでも、後見人は専門的な知識を必要とするといった理由から、親族以外の人が選任されることが多いと思います。
 ただ、後見人は、一旦選任されると、原則として本人が亡くなるまで継続しますので、申立時の目的を達成しても、あるいは、問題が解決しても終了しません。
 この点、申立てをした親族としては親族以外の人が後見人であり続けることに不満を持つことがあります。
 後見開始後に柔軟に後見人等の交代を可能とするような制度や運用の改善が必要だと思います。




urushihara_law at 16:20|PermalinkComments(0)

2021年09月15日

成年後見(その2)

 裁判所の公表資料(成年後見関係事件の概況、令和2年1月~12月)のうち、裁判所に選任された後見人(保佐人、補助人を含みます)と本人との関係をみると、子、配偶者をはじめとする親族である割合は全体の2割程度にすぎず、約8割は親族以外の人となっていて、その内訳は多い順に、司法書士、弁護士、社会福祉士、社会福祉協議会、その他となっています。

 これをみると、ほとんどのケースで成年後見開始の申立をした人からすると、全く予想もしていなかった親族以外の人が後見人に選任されているかのような印象を受けるかもしれませんが必ずしもそうとは言えないと思います。
 というのも、申立にあたっては、後見人等候補者を記載して申立をするのですが、親族が候補者として記載されている事件は全体の約23%ということですから、大体は希望どおりの親族候補者が後見人に選任されていると推測できるからです(成年後見人等の候補者については令和2年2月から調査を開始したということです)。
 また、司法書士等の親族以外の人を候補者として申立をした場合も、多くはそのまま候補者が後見人に選任されているのではないかと思われます。

 ただ、親族が候補者として記載されている事件は全体の約23%ということからすると、一般の方には後見人は荷が重くハードルが高い職務と認識されているのだと思います。
 実際、後見人は1年に1回、本人の財産状況や事務状況を裁判所に書面で報告しなければなりませんし、本人の財産を適切に維持管理する義務を負うため、負担感はあると思います。
 この点も、制度が普及しない理由の一つと思います。






urushihara_law at 16:30|PermalinkComments(0)